株主の皆様さんへ マイクロソフトは1999年度も引き続き高い業績を上げました。効果的なコミュニケーションや仕事の生産性を高め、独創的な学習及び余暇の有効活用を可能にする、そんなソフトウェアの開発を、お客様は当社に期待しています。当社では、そのようなニーズに応えるだけでなく、ソフトウェア製品における機能、使いやすさ、インターネットとのスムーズな統合の基準を作り上げるべく、努力してまいりました。この努力が、驚くべき成長と記録的な収益として実を結んだのだと考えています。 今後数年間、ソフトウェア業界には急速な変化が起こるでしょう。これは、コンピュータの必要性というものが、これまでのPCという枠を越えて「PC-プラス」の世界へと移行してゆくためです。家庭でも、また、職場や学校でも、PCがコンピュータの中心であり続けることは疑いを容れません。しかしながら、今後はハンドヘルド・コンピュータや車載型コンピュータ、インターネットへのアクセスが可能な携帯電話など、新しい情報機器がますます浸透していくでしょう。ソフトウェアの入手もインターネットを通じて行われることが多くなり、オンライン・サービスとソフトウェア製品の境が無くなって行くはずです。ほんの数年前までは想像もつかなかったアクセスの広がりを実現したインターネット。このインターネットがこれからも全てを変え続けて行くとともに、全ての家庭、職場、学校がこの素晴らしいグローバル・データベースへのアクセスを求めるようになるでしょう。 時や場所、機器の種類を問わず、強力なソフトウェアひとつで人々の可能性を広げること、それがマイクロソフトのビジョンです。つまり、企業に対しては、事業間の情報伝達がスムーズに行われるよう、また、安全で正確な電子商取引を実現するよう、摩擦のないナレッジマネジメント システムの構築を支援することが求められます。開発者に対しては、広範囲のハードウェアに適応する、Webベースの製品開発を支援します。また、PCも、よりシンプルで信頼性の高いものに改良していく必要があるでしょう。従来のインターネットから、個人の「パーソナル・インターネット」へ、ユーザーが移行していくのをサポートする必要もあります。この「パーソナル・インターネット」は、時間をかけてユーザー本人を学習し、プライバシーを保護しながらもユーザーに合わせた必要情報全てを提供するというものです。人や組織が、それぞれの情報を創造・管理できるようにすること。マイクロソフトはこれに焦点を当てています。 ユーザーに配慮した製品設計 テクノロジーが増々複雑になりつつあるこの世界で、より使いやすく効率のいい製品を提供することを、当社では主要目標のひとつとしています。構造の複雑さをユーザーが体験しなくても済むように、インターフェイスをシンプルにし、自然言語処理や音声による操作を開発していくことが、一例として挙げられます。これを実現するため、最大の努力をしているところですが、一方ではユーザーである顧客との距離を縮め、そのニーズに応える努力も欠かせません。顧客がどのようにビジネスを行っているのか、組織内では情報がどのように流れているのか、将来何が必要なのか、そして当社製品のどういった点が役立ち、反対に無駄は何なのか。こうしたことを学ぶことにより、顧客がテクノロジーを最大限に活用できるよう、当社は支援していく必要があります。顧客中心という考え方は、私達マイクロソフトのあらゆる面に浸透する必要があるのです。 顧客との親密な関係を保ち、ニーズに応える最善の方法は何か。当社が成長を続けていくには、この点を追求しないわけにはいきません。今年は、組織を再編し、製品ベースの経営を顧客ベースに切り変えました。こうして、定義も一新して再編された各部門のリーダーは、それぞれの担当する顧客に対し、徹底した管理を任されています。全社的なビジョンに基づき、各リーダーは責任をもって部門毎のミッションや重要事項を決定し、製品計画やマーケティング戦略まで部門内で行います。また、社内外を問わず事業協力関係を結ぶ自由裁量権がリーダーには委ねられており、部門ごとに最善を尽くせるよう、事業パートナーを独自に選択することができるのです。 マイクロソフトの使命は常に、お客様が必要な情報にアクセスできる環境を提供することでした。しかしながら、今日では情報量は膨大なものとなり、はるかに多くの場所に保管されるようになり、そのアクセス方法も多様を極めています。テクノロジーの可能性よりも、本当に必要とされているものは何かに焦点を当てることによって、顧客が「PC-プラス」の世界で成功するお手伝いができるようになるのです。また、21世紀に向けて、当社自身の強力な土台固めを行っていけるのです。 ナレッジマネジメント 組織にとって、最も価値のある資産は知識です。しかしながら、これを管理するのは容易なことではありません。ホワイトカラーの大半にとって、必要情報の入手はいまだに手間がかかり、殆どの場合、書類の作成や配布、電話連絡、他の社員とのミーティングといった作業が必要となります。当社のソフトウェアによるデジタルなナレッジマネジメントを用いれば、ホワイトカラーの作業効率は格段に向上するでしょう。 Webベースの連係ツールを装備したMicrosoft® Office 2000は既に、情報管理ソリューションの強力なコンポーネントとして高い評価を得ています。来年度には、主要機能を他にもいくつか加え、これをさらに増強していく予定です。Windows® 2000 Active Directory™ サービスは、管理をシンプルにし、組織内のどこに必要情報があるのかを容易に検索します。また、Microsoft Exchangeの将来のバージョンでは、統合メッセージングソリューションのためのプラットフォームおよび当社のWebストアテクノロジーを装備し、強力で集中制御性の高いコミュニケーション及びナレッジマネジメントが可能になります。将来的には、文書ライブラリや検索サーバー技術の導入も計画されており、企業がそれぞれの知識データベースをより有効に利用できるよう、支援していく予定です。10年前にはほんの20%であったチーム作業が、現在では50%を占めるようになっているため、BackOffice®ファミリーをはじめとする各製品には、チーム活動の生産性を高める機能も盛り込みました。紙の印刷物を職場から一掃する夢も、紙以上に高い解像度や判読性を画面にもたらすClear Type技術によって、実現することができるのです。 ホワイトカラーがもっと効率よく情報にアクセスできるよう、当社ではデジタル・ダッシュボードというものを開発中です。これは、カスタマイズされたOffice 2000ソリューションで、情報の保管場所が自分のPCであろうと、会社のネットワーク、あるいはインターネットであろうと、重要な情報全てを取り出して1ヶ所に集めることができるものです。デジタル・ダッシュボードは、メッセージやタスク、情報、会議など、希望のものを管理し、優先事項の決定を行います。加えて、データ処理に必要なあらゆる分析ツールへのアクセスも可能にします。こういった機能全てが、どこにいても、またハードがハンドヘルド・コンピュータ、PC、最先端電話機のいずれであろうと、操作できるようになるのです。デジタル・ダッシュボードによって、場所、時間、使用機器に左右されない能力装備も、もはや遠い夢ではありません。 どこにでも、どこからでも、アクセス。 Windowsにおける最も根本的なビジョンは、完全なスケーラビリティにあります。これは、サーモスタットや照明スイッチなどの装置向けの組み込み型オペレーティングシステムをはじめ、ハンドヘルドPCのWindows CEやWebアクセス可能な電話機、そして、ミッションクリティカルなシステムを運用する大企業まで、あらゆるアプリケーションにあてはまります。Windows 2000、 SQL Server™ 7.0、 次世代のExchangeには、最先端のスケーラビリティと徹底した可用性など、ほんの5年前には考えられなかった機能を装備することになりますが、これに留まらずさらなる向上が今後数年間で予定されているのです。その鍵となるのは、Windows 2000の先進的な負荷分散機能で、これまでの高価なシステムにも望めなかったレベルのスケーラビリティと信頼性が実現します。WebサイトはWindowsを利用することにより、キャパシティーが増強され、また、同じ問題に何度も悩まされることがなくなります。Windows 2000の負荷分散技術が、最小負荷で稼動しているサーバーへと自動的にタスクを回してくれるのです。 ホワイトカラーにとっては、自分のいる場所に左右されず情報にアクセスできることは、最も重要な課題です。Windows 2000が装備しているIntelliMirror™テクノロジーは、データを自動的かつ手軽にバックアップし、同期させ、どのPCや情報機器でも引き出すことを可能にするものです。 ハンドヘルド・コンピュータ、Webアクセス可能な電話機、そして通常のPCは全て互いに、ユーザーがオフィスにいようと、移動中であろうと、ワイヤレスのまま自動データ同期を行えるようになるでしょう。マイクロソフトではWindows 2000のワイヤレス・ネットワーク技術を既に活用している社員もいます。彼らが会議室に足を踏み入れると、携帯しているノートPCが認識され、参加者全員の「バーチャル・ワークグループ」が創り出されます。ワイヤレス・ネットワークはこのように、職場を変える力を持っているのです。 あらゆる場所でのアクセスが可能になると、家庭にも多大な変化がもたらされるでしょう。消費者は、PC独自のパワフルで豊かな世界を他の情報機器でも再現できるようになり、また、高速・低料金のワイヤレス・ネットワークのおかげで、質の高いオーディオやビデオが全ての部屋で楽しめるようになるのです。例えば、Windows Media™オーディオ・プレーヤーは、前世代のフォーマットに比べ2倍の速度で音楽をダウンロードすることができ、情報量も2倍の上、強力な著作権保護機能も備えています。当社ではまた、80万人の会員を有するWeb TV Network™サービスの発展にも力を注いでおり、プログラムの自由な変更や、画面のカスタマイズ、Webを存分に活用した内容、楽しいゲーム、そしてパワフルな通信機能など、家族中で楽しめるように企画されています。CarPoint™(オンライン自動車サービス)や HomeAdvisor™(オンライン不動産サービス)、MoneyCentral™(金融サービス)、そして既に4千万人の会員を誇るMSN™Hotmail(Webベースの電子メールサービス)などに代表されるデジタルなライフスタイルを、何百、何千万というアメリカ人が職場だけでなく家庭でも楽しめるよう、当社としても最善を尽くす計画です。 帯域幅の拡大 優れたソフトウェアを利用して「いつでも、どこでも、どのハードウェアでも」を実現し、ユーザーの可能性を広げる 。マイクロソフトのこのビジョンは、今日の狭く限られた帯域から将来の広帯域へ向けて、どのように個人ユーザーや企業を導いていけるかが、成功の決め手となります。個人ユーザーをはじめ、中小規模事業所でさえ、インターネットへのアクセスは未だに通常の電話線で済ませているのが実情です。これはつまり、ほとんどのユーザーにとって、リアルタイムなインタラクティブ体験は夢のままということです。企業にしても、取引きなど重要な通信に支障をきたすのではという恐れから、ビデオ会議やマルチメディアをネットワークに取り入れることを躊躇するところも多いのです。 こういった状況を打開する戦略の核として、高速広帯域ネットワークの普及を促進するよう投資を行うと共に、顧客へのインタラクティブ・サービスがこれらのネットワークを通じてスムーズに流れるよう、テクノロジーの共同開発・利用を行うことが挙げられます。このために当社では、広帯域インターネットやマルチメディアへのアクセス普及に、将来重大な役割を果たすであろう企業各社と、協力しあいながら事業を進めているのです。これを実現してくれる多くのテクノロジーへの、当社の意気込みは決してありきたりなものではありません。有線、無線の遠距離通信、ケーブル、インタラクティブTVといった、様々なインフラストラクチャに投資を続けるのもこのためなのです。当社の事業パートナーには、AT&Tをはじめ、 Nextel Communications、 NTL、 Rogers Communications、 WirelessKnowledge、 Concentric Networks、 Wink Communicationsなど、そうそうたるメンバーが揃っています。 「PC-プラス」の時代 今年だけでも販売台数が1億を上回るという、息の長い人気を誇るPC。思わず目を瞠る数ですが、意外というわけではありません。低価格のパッケージでも、10年前なら企業の情報システム部門でしか見られなかったようなコンピューティング機能を装備しており、学生から情報処理関係者、一般消費者まで、その必要を満たしてくれるのです。通信手段として、あるいは学習、仕事、遊びの道具として、PCは我々の体験をより豊かで質の高いものにしてくれます。 新世紀に入ると、PCの驚異的なパワーと柔軟性が、どこででも必要な時に利用できるようになるでしょう。「PC-プラス」の時代には、アクセス性、スケーラビリティ、使い勝手の良さが主眼となります。テクノロジーとは、自分自身についてや人との関わり方を考える上で、手を伸ばせば自然にそこにあるものであり、その中心に人がいる そんな時代になるのです。マイクロソフト独特の、経験と資源、そしてリサーチの組み合わせが、このビジョンを実現する上で強力な武器になることは疑いを容れません。 当社では、最高のカスタマー・サポートをはじめ、2000年度の新製品研究開発費38億ドルなど、未来への多大な投資を行っています。しかしながら、これが必ずしも成功するとは限りません。競争が激化する一方、規制緩和は当分期待できないでしょう。世界中でPCの販売が絶好調であるとはいえ、来年は多少の低調も予測されています。そして、マイクロソフト社の事業が複雑になるにつれ、直面せざるをえない戦略的チャレンジやリスクも比例して増えていくことは避けられません。 優秀なソフトウェア製品はまだまだ求められているため、私は楽観しています。21世紀を目前にし、株主の皆様及び当初の顧客には、当社へのその揺るぎない支持と信頼に深く感謝致します。
ユーザー志向のマイクロソフト製品。 世界がさらに広がります。 _ 情報の流れをよりスムーズに。 _ スケーラビリティ、信頼性、可用性の向上。 _ できるだけ多くの情報機器をサポートするよう設計。 _ オンラインの消費者とビジネスを仲介。 _ 新世代のユーザー・フレンドリーPC開発。 _ 時、場所、機器を選ばない、パフォーマンスとアクセスの確立。 ビジネスは、私達が考えているより奥が深いものです。 ナレッジマネジメントのための、統合ソリューション。 _ アイデアの創造と情報共有にはOffice 2000。 _信頼性が高く、堅牢で、経済的なデスクトップ及びネットワーク操作環境にはWindows Platform。 _ システム変更や構成などの管理を集中制御するためにはSystems Management Server。 _ メッセージ伝達と社内協力体制を完璧にするExchange Server。 _ スケーラブルで信頼性の高いデータベースのため、そして、データ・ウェアハウジング・ソリューションとして、SQL Server。 _ 包括的なインターネット商取引にはSite Server Commerce Edition。 世界とのつながり。 統合されており、効果的。 今日 _ Webとユーザーとの統合性を高めるOffice 2000。 _ 新しいPivotTable®オプションに加え、Webベース機能がさらに充実したExcel 2000。 _ 魅力的なWebページ作成のための強力な味方、FrontPage 2000。 明日 _ デスクトップとモバイルOSを組み合わせ、シンプルなインターフェイスでまとめたWindows 2000 Professional。 _ 信頼性の高いアプリケーションを、インターネットやネットワーク・サービス、最新リモートコンピューティング、安全保護テクノロジーなどと統合するWindows 2000 Standard Server。 _ Standard Serverサービスに加え、さらに高いレベルの可用性とスケーラビリティで高度な企業ニーズにも応えるWindows 2000 Advanced Server。 _膨大なデータ量を扱う企業、インターネット・サービスプロバイダー、WebサイトのホストにWindows 2000 Datacenter Server。 何が大切なのか、しっかり見極める。 あとは、情報が追いかけてくるのを待つだけでいいのです。 _ インターネット・サービスのMSNネットワークは、カスタマイズできるインターネット・ポータル _ ポケットPCやWeb電話機にはMicrosoft Windows CE _ Microsoft Digital Sound System _ Internet Explorer 5.0 Webブラウザ ソフトウェアで、どこからでも必要な情報にアクセス _ 人に見せても構わない個人情報だけを自動的に書き込むPassport _ 希望の地図を作成できるビジネス地図ソフトウェア、MapPoint 2000 ワイヤレスでオンライン。 もっと遠くまで手が届くように。 _ Windows CE _ MSN Mobileインターネット・ポータル _ MSN MoneyCentral _ MSN Hotmail _ 携帯電話及びハンドヘルドPC用Microsoftマイクロブラウザ _ Windows 2000モバイルOS _ Microsoft Cordless Phone System(コードレスフォン・システム) _ TVPAK 仕事も生活も、そして遊びも、自分次第でより快適に。 オンラインを楽しむために必要なものが全て揃っています。 _ 迅速なオンライン接続のためのWebTVサービスとMSNインターネットアクセス _ 必要な情報がすぐに手に入るMSN.com _ 世界中の最新ニュースはMSNBC.com _ マルチメディア大百科Encarta®と、知りたいことがすぐにわかるEncarta World English Dictionary _ 旅行のプランニングと格安情報のExpedia.com _ 自動車購入時の賢い選択はCarPointで _ より快適で豊かな、仕事、生活、遊びの環境 |
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Last updated May 28, 2010
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